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海外大学院はやめとけ?後悔する前に読む話

海外大学院はやめとけ?後悔する前に読む話

「海外大学院って、実際どうなの?」「やめとけってよく聞くけど、本当?」
そんな不安や疑問を抱えて検索にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

たしかに、学費や生活費の負担GPAやTOEFLスコアのハードル卒業後の就職事情など、海外大学院には見落としがちな落とし穴がいくつも存在します。憧れだけで飛び込むと、後悔するケースも少なくありません。

この記事では、実際に「海外大学院 やめとけ」と言われる理由を具体的に掘り下げつつ、進学のメリット・デメリットをわかりやすく整理しています。

読んでいただければ、「やめるべきか?行くべきか?」の判断材料がクリアになります。留学を検討中の方は、後悔しない決断のために、ぜひ最後までご覧ください。

>>>大学院に行くには成績が全て?GPAが低くても合格する戦略とは

海外大学院はやめとけと言われる理由と真実

海外大学院はやめとけと言われる理由と真実

「海外大学院に行けば人生変わる」「キャリアが広がる」──そんな声の一方で、ネットには「やめとけ」の文字が並び、不安を感じた方も多いでしょう。実際、海外大学院には表面的な華やかさとは裏腹に、進学後に後悔する人が少なくありません。このセクションでは、「なぜ“やめとけ”と言われるのか?」を事実ベースで解説し、進学判断の土台を築いていきます。

高額な学費と生活費が重すぎる現実

海外大学院に進学するうえで、まず大きな壁になるのが費用です。これは想像以上に重く、想定が甘いと留学そのものが失敗に終わる可能性すらあります。

たとえば、アメリカの州立大学の修士課程(2年間)の場合、学費だけで年間2万〜4万ドル(約300万〜600万円)が相場です。さらに、家賃や食費、保険、交通費などの生活費を合わせると、1年間で最低でも500万円前後が必要になるケースがほとんど。現地でアルバイトをしながら生活を支える学生もいますが、学生ビザでは労働時間に制限があるため、収入は限定的です。

また、留学生に対しては奨学金の数も限られており、競争率も非常に高いです。仮に返済不要の奨学金を得られたとしても、全額をカバーできるケースは稀。多くの人が教育ローンや家族からの支援に頼ることになり、進学前から大きな経済的リスクを背負うことになります。

さらに、「MBA」などの人気プログラムの場合、1年で1000万円を超える総費用がかかることもあります。英語力の向上のために語学学校へ通う場合は、それだけ時間とコストが増加するため、準備期間も含めると「計画していたより1年以上余分にかかってしまった」という声も珍しくありません。

このように、学費・生活費・準備費用をトータルで考えると、進学後に金銭面で悩む学生は非常に多いのが実情です。実際、アメリカの大学院留学生の約30%が資金不足による中途退学を経験しているという調査もあります(出典:IIE – Institute of International Education)。

卒業後のキャリアが思ったほど拓けない理由

学費の投資に見合う“回収”ができるのか──これもまた、進学前に冷静に考えるべき重要なポイントです。

「海外大学院を卒業すれば外資系企業に就職できる」「グローバルな人材として引っ張りだこになる」
そんなイメージを持っている方も多いのですが、現実はもっとシビアです。

まず、日本国内での海外大学院卒の評価は一様ではありません。理系分野や研究職に強い分野ではプラスに働くこともありますが、文系やビジネス系では「即戦力としてのスキル」が優先される傾向があり、大学名や学位よりも“何ができるか”が重視されるため、期待したようなキャリアアップにつながらないケースが多いのです。

加えて、海外での就職も簡単ではありません。ビザの取得が難しい国も多く、現地企業の採用枠は限られています。アメリカではSTEM(理工系)以外の専攻ではOPT(実習制度)後にビザ取得が難しいという問題もあり、「せっかく卒業したのに帰国せざるを得なかった」という例は珍しくありません。

帰国後の就職活動においても、「海外での経験=採用されやすい」とは限りません。特に日本企業の多くは新卒一括採用文化が根強く、中途枠でも年齢や職歴、協調性が重視されることから、留学経験を“ピンとこない実績”と捉えられてしまうことも。

また、英語力や専門性の高さを持っていても、それを活かせる環境が日本にはまだまだ少ないのが現状です。せっかく時間とお金をかけて学位を取得しても、国内では思ったよりアピール材料にならない──それが、「海外大学院はやめとけ」と言われる一番の落とし穴かもしれません。

海外大学院はやめとけ?迷う人が見落としがちなポイント

海外大学院はやめとけ?迷う人が見落としがちなポイント

「GPAが足りないかも」「TOEFLのスコアが届かない」「本当に自分に必要?」──迷う人の多くは、事前にクリアにしておくべき点を見落としたまま、不安と向き合っています。このセクションでは、海外大学院進学で後悔しやすい“盲点”と、実際に失敗した人たちの共通点を紹介します。進学する・しない、どちらの判断をするにせよ、冷静な視点を持つことがカギです。

GPA・TOEFLなど入学条件を甘く見ている

進学に必要な条件を甘く見積もってしまい、出願の段階でつまずく方は少なくありません。特に重要なのがGPAとTOEFLスコアです。

たとえば、アメリカの多くの大学院プログラムではGPA3.0以上(4.0満点)が最低ラインとされており、上位校では3.5以上が望ましいとされています。しかし、日本の大学ではGPAを厳しめに評価する傾向があるため、思っていたより低く算出されてしまうことが多いです。

また、TOEFL iBTのスコアは最低でも80点、トップ校では100点以上が求められるのが一般的です。ReadingやWritingで高得点を出すには、学部レベルのアカデミック英語に加え、論文読解・構成力も必要になります。単に「英語が話せる」というレベルでは足りず、語学力と学力の両面で準備が必要です。

それに加えて、推薦状や志望理由書のクオリティも評価の対象となります。「とりあえず書いて提出」では合格に届かず、現地大学の教育スタイルや研究室のテーマに合った内容でなければなりません。

加えて、GREやIELTSのスコア提出を求めるプログラムも多く、その対策にも数ヶ月単位の勉強時間が必要です。こうした諸条件をクリアするには1年程度の準備期間を見込むべきであり、「今から半年後に出願しよう」という短期的な考えでは、後悔につながる可能性が高いです。

実際、米国大学院への出願者のうち、約3割が準備不足により出願を断念したという報告もあります(出典:ETS TOEFL® Test and Score Data Summary)。

なんとなく海外に行きたい人が陥るワナ

「日本の現状に不満」「今の自分を変えたい」「海外で学んでみたい」──これらの気持ちは決して否定されるべきではありませんが、漠然とした動機で進学を決めると、高確率で挫折につながります。

たとえば、「海外に行けばなんとかなる」と考えていた人が、現地での生活に適応できず、精神的に不安定になるケースは少なくありません。授業は全て英語で行われ、積極的に発言しなければならないディスカッション中心の授業スタイル。講義をただ受けるだけでは評価されないため、「ついていけない」という声も多く見られます。

さらに、日本と異なり「研究室に入れば面倒を見てくれる教授がいる」わけではなく、自己主導で動ける人間でなければ評価されません。この違いを理解しないまま入学してしまうと、成績不振や孤立によって途中退学という最悪の結果に陥ることもあります。

「自分探し」や「とりあえずの逃避」として留学を選ぶ人もいますが、海外の大学院は「目的が明確で、計画性のある人」にこそ適した環境です。特に、専門分野に対する研究計画や将来のビジョンが曖昧なままでは、履修コースの選択も難しくなり、進学後の迷いや後悔につながります。

現地での失敗談として、「語学力は足りていたのに、将来どうしたいかが曖昧で、履修の方向性が定まらずに卒業後の就職活動もうまくいかなかった」という声が実際にあります。これは、“なんとなく”進学した人に特有の共通パターンと言えるでしょう。

それでも海外大学院に行きたいあなたへ──「やめとけ」という意見を超えるための考え方

それでも海外大学院に行きたいあなたへ──「やめとけ」という意見を超えるための考え方

ここまで「やめとけ」と言われる理由を深掘りしてきましたが、それでも「どうしても海外で学びたい」という思いがあるなら、それは無視すべきではありません。ただし、挑戦を成功に変えるには戦略が必要です。

この章では、やめとけを超えて「行ってよかった」と思えるために必要な考え方と、現実的な準備方法についてお伝えします。

なぜ行くのか?目的を明確にすれば道は拓ける

「とにかく海外で学んでみたい」「キャリアにプラスになりそう」という気持ちだけでは、海外大学院進学の決断には足りません。成功している人に共通するのは、明確な目的と進学後のビジョンを持っていることです。

たとえば、MBAや修士課程に進んだある日本人学生は、「データサイエンス分野での専門性を高めて、現地企業で働く」という具体的なゴールを持っていました。そのため、専攻、大学、コースの選択が非常に的確で、インターンや現地就職までスムーズに進んだのです。

逆に、「海外経験がほしい」「英語力を伸ばしたい」といった漠然とした動機で進学した場合、履修の方向性が定まらず、修士論文や研究計画で迷いが生じ、成績も伸び悩む傾向があります。

また、推薦状や志望理由書に書く内容も、目的がはっきりしているかどうかで説得力が大きく変わります。そのためにも、自分の興味・将来のキャリア・研究テーマを早い段階で整理しておくことが重要です。

目的が明確であれば、奨学金の応募条件や就職後の選択肢にもブレが出ません。進学そのものが“目的”ではなく、“目的を実現する手段”であることを忘れないようにしましょう。

国内大学院・転職との比較で進路を再定義する

海外大学院が唯一の選択肢とは限りません。むしろ、国内の大学院進学やキャリアチェンジ(転職)を含めて比較検討することが、正しい意思決定への近道です。

まず国内大学院の場合、学費は年間50万〜80万円前後と海外に比べてかなり抑えられます。また、日本語で受講できるため、語学力やテスト対策の負担が少なく、研究に集中しやすい環境が整っています。特に修士号を取得しつつ、国内企業でキャリアを積みたいと考える方には現実的な選択肢です。

一方、社会人経験者にとっては転職によるキャリアアップのほうが、経済的にも実務的にも即効性がある場合があります。たとえば、ビジネススキルを磨きたいという目的であれば、外資系企業やベンチャー企業に転職するだけでも環境は大きく変わります。

最近では、「国内MBA」や「週末型大学院」「オンライン修士課程」など、働きながら学位を取得できるコースも増えており、柔軟なキャリア構築が可能になっています。

さらに、厚生労働省が発表した令和4年の調査によると、大学院修了者よりも実務経験のある社会人の方が企業の採用ニーズが高い傾向も確認されています(出典:厚生労働省:能力評価制度に関する調査結果)。

このように、「海外大学院」という選択肢がすべてではなく、自分の目的を起点に、進学と転職の両面から柔軟に進路を再定義することが、後悔のない選択へとつながっていきます。

まとめ:海外大学院は「やめとくべき」か?自分軸で選ぶことが何より大切

海外大学院進学には、金銭的な負担や入学基準の厳しさ、そして卒業後のキャリア形成の難しさなど、多くの「やめとけ」と言われる理由が存在します。実際、学費だけで年間数百万円、生活費を含めると1,000万円を超えるケースもあり、途中で資金が尽きて中途退学となる人も少なくありません。

また、GPAやTOEFLスコアのハードルを甘く見積もると、出願すらできないこともあります。「なんとなく海外に行きたい」という動機では、進学後に迷いや後悔を抱える可能性が高いです。

しかし一方で、「明確な目的」を持ち、「戦略的に準備」を行えば、海外大学院はかけがえのない経験となります。自分のキャリアにとって本当に必要かを見極め、国内大学院や転職など他の選択肢とも比較したうえで、最適な道を選ぶことが重要です。

「行くべきか、やめるべきか」ではなく、「自分はなぜ行きたいのか?」を掘り下げて考えること。それこそが、後悔しない進路選択への第一歩です。

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