「論文を書きなさい」と言われても、何から手をつければいいのか分からず、パソコンの前で手が止まってしまう方は多いのではないでしょうか。
実は、論文には評価されやすい書き方の「型」と「コツ」があります。 文章のセンスや語彙力よりも、「構成」「論理の流れ」「根拠の示し方」を理解しているかどうかが、成績や評価を大きく左右するのです。
この記事では、大学のレポートや卒論で使える論文の書き方のコツを、基本構成から具体的な手順、つまずきやすい「考察」のポイントまで丁寧に解説します。論文に苦手意識がある方でも、読み終える頃には「これなら書けそうだ」と感じていただける内容になっています。
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論文の書き方のコツ|まず押さえたい「基本の構成」

論文を書くうえで最初に理解しておくべき重要な点は、論文とは「一定の構成原理にもとづいて書かれる学術的文章である」ということです。
日記や感想文のように、思いついた順に自由に書いてはいけません。それでは論理の流れが不明確になり、学術的な評価を得ることが困難になります。
大学や学会で求められる一般的な論文は、以下の5つの要素から構成されます。
序論(はじめに)
方法
結果
考察
結論(おわりに)
これらは単なる形式ではなく、研究内容を論理的かつ客観的に伝えるための「役割分担」です。それぞれのパートが担う機能を正しく理解し、その役割に沿って記述することが、論文全体の完成度を大きく左右します。
論文はどのような構成で書くのか
各パートの役割を具体的に見ていきましょう。
序論(はじめに) 研究の背景、問題意識、先行研究の概要を示します。そのうえで、「なぜこのテーマを扱うのか」「本論文では何を明らかにするのか」という研究目的を明確にします。ここで論文全体の方向性を提示することで、読者はその後の内容を迷わずに理解できるようになります。
考察 論文の中核をなす部分です。得られた「結果」をもとに、「その結果は何を意味するのか」「なぜそのような結果が生じたのか」を論理的に説明します。単なる感想や推測ではなく、データ・理論・先行研究との関連づけを通して、結果を学術的に解釈する姿勢が求められます。
評価される論文に共通するポイント
評価の高い論文に共通して見られる最大の特徴は、「論理の一貫性」と「客観性」が全体を通して保たれている点です。
具体的には、序論で設定した「問い(研究目的)」が、方法・結果・考察へと適切につながり、最終的な結論へと無理なく収束しているかが重視されます。
また、主張に対して十分な根拠が示されているか、個人的な意見に偏らず、第三者が読んでも納得できる説明になっているかも評価のポイントです。論文とは、自分の考えを述べるだけでなく、他者を論理的に説得するための学術的文書であることを強く意識しましょう。
論文が書けない人必見!スムーズに書き進めるための手順

「論文が書けない」と悩む多くの学生は、十分な準備を行わないまま、いきなり本文を書き始めてしまう傾向があります。
しかし、論文執筆において本当に重要なのは、文章を書く行為そのものではなく、書く前の「設計段階」です。 研究テーマの設定、問いの明確化、構成の整理といった準備が不十分だと、途中で論点がぶれたり、何を主張したいのか分からなくなったりします。
逆に言えば、事前準備さえ丁寧に行えば、論文執筆は単なる「作業」として着実に進めることが可能です。
テーマ・問いの決め方
論文のテーマ設定は、論文全体の質を左右する最重要工程の一つです。
広すぎるテーマ: 十分な検討や分析ができず、内容が表面的になりがちです。
狭すぎるテーマ: 議論の広がりや学術的意義を示しにくくなります。
そのため、「扱える分量の中で、何を明らかにするのか」を意識し、テーマを**「問い」の形に落とし込むこと**が重要です。
具体的には、「なぜその現象が起こるのか」「どのような要因が関係しているのか」など、調査・分析によって明確な答え(Yes/Noや要因の特定)を導ける問いになっているかを確認しましょう。明確な問いが設定できていれば、以降の方法・結果・考察は、その問いに答えるための手段として一貫した形で構成できます。
本文を書く前に構成(アウトライン)を作る理由
本文を書き始める前に、見出しレベルで論文全体の構成を設計することは非常に重要です。これは、論文を文章の集合ではなく、「論理構造をもった一つの成果物」として捉えるためです。
あらかじめ構成を作成しておくことで、以下のメリットがあります。
「どの部分で何を述べるのか」が明確になる
「どの順序で議論を展開するのか」が整理される
執筆中に論点が逸れたり、同じ内容を繰り返すリスクが減る
構成が明確であれば、本文執筆は「構成で決めた内容を、必要な根拠とともに文章化する作業」へと変わります。これにより、途中で迷うことなく、論理的で読みやすい論文をスムーズに書き進めることが可能になります。
論文の評価が決まる!「考察」の書き方とコツ

考察は、論文全体の中でも最も評価に直結しやすい重要なパートです。 なぜなら、考察では「得られた結果をどのように解釈し、どのような知見を導いたのか」という、研究者としての思考力・論理構成力が直接的に問われるからです。
考察の役割は、結果を単に言い換えたり要約したりすることではありません。重要なのは、以下の2点を論理的に説明することです。
なぜその結果が得られたのか
その結果は何を意味しているのか
これらを、理論・先行研究・データとの関係性を踏まえて記述します。結果と考察を明確に区別し、考察では一段抽象度を上げた議論を行う必要があります。
考察でよくある失敗例
考察で特に多く見られる失敗は、根拠のない主観的な意見に終始してしまうことです。
「〜だと考えられる」
「〜だと思った」
こうした表現が続いても、それを裏づけるデータや先行研究が示されていない場合、学術的な説得力は大きく低下します。 また、結果で示した内容をそのまま繰り返すだけで、「その結果から何が言えるのか」「研究目的とどう関係するのか」に踏み込めていない考察も、評価が伸びにくい典型例です。
考察では、結果を出発点として、意味づけ・解釈・位置づけを行う姿勢が不可欠です。
説得力のある考察を書くポイント
説得力のある考察を書くためには、以下の論理フローを明確に意識しましょう。
【考察の基本フロー】 結果(事実) → 根拠(データ・先行研究) → 解釈(自分の考え) → 結論
まず、自身の研究結果を客観的な事実として提示します。次に、それを説明する根拠としてデータや理論、先行研究を適切に引用します。そのうえで、それらを踏まえた自分なりの解釈を示すことで、独自性と学術的妥当性を両立した考察になります。
さらに、先行研究と一致する点・異なる点を比較し、その理由や意義に言及できれば、研究としての完成度は一段と高まります。 考察とは、自分の意見を述べる場ではなく、証拠にもとづいて結論へと導く論理的プロセスであることを常に意識して書きましょう。
まとめ
論文を評価される形で書くためには、文章力よりもまず**「論文という学術文章の型」**を正しく理解し、それに沿って書くことが重要です。
基本構成: 論文は「序論・方法・結果・考察・結論」という明確な構成を持ち、それぞれのパートに果たすべき役割があります。
準備が9割: いきなり書き始めず、テーマと問いを明確にし、全体の構成を先に設計しましょう。これにより執筆は「悩む作業」から「進める作業」へと変わります。
考察の重要性: 結果を繰り返すだけでなく、「なぜその結果が得られたのか」「その意味は何か」を、データや先行研究を根拠に論理的に説明しましょう。
論文とは、自分の意見を自由に書く文章ではなく、根拠にもとづいて読み手を納得させるための学術的文書です。 構成・手順・考察のポイントさえ押さえれば、論文は決して難しいものではありません。正しい型を理解し、一つひとつ丁寧に積み上げていくことが、高評価につながる論文への最も確実な近道です。
次のアクション
もし「具体的なテーマの絞り方が分からない」「構成案を作ってみたが自信がない」という場合は、まずは「目次(見出し)」だけを作成してみてください。それだけで、論文執筆のハードルはぐっと下がります。











