大学院に行くとどうなる？院卒の年収・進路リアル解説

「大学院に行くとどうなる？」と考え始めたものの、「院卒の年収って本当に高いの？」「就職で苦戦することはない？」など、不安や疑問を感じていませんか？

この記事では、大学院に進学することで得られるリアルなメリット・デメリットを整理し、院卒の平均年収や具体的な進路、就職状況について詳しく解説します。

読み終わる頃には、あなたが大学院に行く意味を納得して理解でき、進学するべきかどうか自信をもって決断できるようになりますよ。

大学院に行くとどうなる？院卒のリアルな年収とキャリアを解説

「大学院に行くと、就職や年収で本当に有利になるの？」
大学４年生のあなたは、こんな疑問を抱えているかもしれませんね。たしかに、大学院に進学すると、専門知識や研究スキルが高まり、自分の市場価値が上がるイメージがあります。でも、そのイメージは本当に正しいでしょうか？

この記事では、大学院を卒業した人たちが実際どのようなキャリアを歩んでいるかを、具体的なデータとリアルな事例を交えて紹介します。

院卒の平均年収は大卒より高い？給与の実態

まず、多くの人が気になるのが「院卒は本当に大卒よりも年収が高くなるのか？」という点ですよね。実は、文部科学省の調査（令和4年度学校基本調査）によると、大学院修士課程を修了した人の初任給は、平均で約24万円です。一方、大卒の初任給は平均約21万円。この数字だけを見ると、大学院に進学すると確かに初任給では約3万円ほど高くなります。

ただし、この差は業界や職種によってかなりばらつきがあります。特に製造業やIT業界、研究開発職など専門性が高い分野では、院卒者が明らかに有利です。例えば大手メーカーでは、修士号を持っているだけで大卒と比べて初任給が月額5万円近く違うことも珍しくありません。

しかし、全ての業界が院卒を高く評価するとは限りません。特に営業やサービス業界では、修士課程卒業による給与差はほぼありません。また、院卒者は大卒者に比べて社会に出るのが2年遅れるため、生涯年収ベースで見ると差が縮まることもあります。

院卒の就職先や業界別進路のリアル

次に、大学院を出た人たちは実際どんなところに就職しているのでしょうか？

工学系や理学系など理系分野では、大学院修了者の就職先として製造業（電気電子、自動車、機械）や情報通信業界が人気です。特に大手企業では、研究職や技術職での採用は修士以上が前提になるケースも多いのが実態です。また、昨今のDX推進やAI活用の流れで、理系院卒の人材はIT・コンサル業界からも強く求められています。

一方、文系大学院の場合は事情が異なります。経済学や経営学など一部の分野を除いて、一般企業では必ずしも高評価につながらない場合も多く、「文系院卒は就活で苦戦する」という傾向があります。そのため、文系院卒者の多くは、公務員や教育職、研究職、シンクタンクなど、専門性を生かせる職種を選ぶことが多くなります。

さらに気をつけたいのが、専門職大学院の進路です。例えば、会計大学院など専門職大学院は資格取得やキャリアアップを目的としていますが、実際には期待通りのキャリアが築けずに苦戦するケースもあります（参考記事：会計大学院やめとけ！28歳経理が陥るリアルな落とし穴）。そのため、専門職大学院を選ぶ場合には、明確な目的とキャリアプランを持つことが不可欠です。

大学院に進学する場合は、自分が将来どのような業界で、どのような職種を目指すのかを事前に明確にしておく必要があります。なんとなく進学してしまうと、院卒という学歴が逆にキャリア選択の幅を狭めるリスクもあるのです。

院卒だからこそのメリットを享受するためには、リアルな実態を知り、慎重に選択を行うことが重要になります。

大学院に行くとどうなる？進学メリット・デメリットを徹底比較

大学院に行けば、将来の可能性が広がるイメージがありますよね。けれども「理系大学院はやめとけ」など、進学をためらう意見も耳にします。大学院は学部とは異なり、専門分野を深く掘り下げる場所。そのためメリットとデメリットをよく知ったうえで進学を決めるのが大切です。

ここでは大学院進学における具体的なメリット・デメリットを、体験談やリアルな事例を交えて詳しく解説します。あなたが本当に進学すべきかどうか、じっくり判断してくださいね。

大学院進学のメリットは本当にある？リアルな体験談

大学院に進学する最大のメリットは、なんといっても専門性が高まることです。学部では浅く広く学んだ知識を、大学院ではひとつの分野に絞りこみ深く研究します。そのため、就職先によっては院卒という学歴が高く評価され、キャリアが有利になるケースも多く見られます。

例えば、機械工学専攻で大学院を修了したある先輩の場合、修士号を取得したことで大手メーカーの研究開発職に就職できました。同期の大卒者よりも年収が約50万円ほど高く、入社後も専門性を活かして順調にキャリアアップを実現しています。

また、理系の場合、大学院では研究室の企業との共同研究に参加するチャンスも多く、在学中に実践的な経験が積めるのもメリットでしょう。さらに、院卒は専門職の求人応募条件を満たすことが多く、選べる職種や企業の幅が広がります。

文系であっても、経済学や経営学などの専門性を磨くことにより、シンクタンクやコンサル業界、公務員などの専門職に有利になる場合があります。ただし、文系の場合は進学前に将来の目標をはっきりさせておくことが重要です。

院卒のデメリットと就活で苦戦する理由

一方、大学院進学にはデメリットも存在します。そのなかでも特に気をつけたいのが、就職活動のタイミングや、学歴が逆効果になるリスクです。

例えば、修士卒の場合、社会に出るのは大卒より２年遅れます。実際、院卒者は年齢が高いという理由で企業側が採用を避けるケースもあります。特に中小企業や一部のサービス業界などでは、院卒者の専門性がむしろマイナス評価になってしまうこともあるのです。

また、大学院生活は、研究テーマや指導教員との相性によって大きく左右されます。研究が上手くいかず途中で精神的に苦しくなったり、成果が出ないことで就職活動にも悪影響を与えるケースも珍しくありません。特に理系大学院の場合、研究室の選択を間違えると、「理系大学院はやめとけ」と後悔することになりかねません（参考記事：理系大学院やめとけの真実｜進学後に後悔した人の本音）。

加えて、大学院では学部時代よりも自立が求められます。主体的に研究計画を立て、成果を出すことが求められるため、受け身の姿勢では期待した成果を上げられないこともあります。

大学院進学を考える際には、メリットだけでなくデメリットにも冷静に目を向けることが大切。進学の目的と自分の性格やキャリア目標がマッチしているかどうかを慎重に判断しましょう。