大学院への進学を考えているけれど、「学費や生活費の負担が不安…」「返済しなくていい奨学金ってあるの?」と悩んでいませんか?特に給付型奨学金は、返済不要で経済的な支援が得られるため、多くの学生が注目しています。
本記事では、大学院生向けの給付型奨学金の制度について、月8.8万円を受け取れる代表的な制度から、支給条件や申請方法までをわかりやすくまとめました。申請時期や選考基準、所得制限の有無などもあわせて解説しています。
この記事を読むことで、「どんな給付型奨学金があるのか」「自分が対象になるか」「いつまでに何をすべきか」が明確になります。大学院進学の準備を始める前に、ぜひチェックしてください!
大学院の給付型奨学金とは?仕組みと支援内容を徹底解説

大学院で専門性を深めたいけれど、「学費や生活費が心配で進学を迷っている…」という方も多いのではないでしょうか。そんな方にとって、返済が不要な「給付型奨学金」は非常に心強い制度です。ここでは、給付型奨学金の基本的な仕組みとメリット、そして代表的な支援制度であるJASSO(日本学生支援機構)の内容について詳しく解説していきます。
返済不要の「給付型奨学金」の基本とメリット
給付型奨学金とは、貸与型と異なり返済の必要がない支援制度です。大学院生の生活費や授業料の一部を補助し、経済的な理由で進学を諦めざるを得ない学生を対象に、主に家計基準・成績基準・進学目的に応じて支給されます。
この制度の最大のメリットは、「卒業後に借金を抱えずに済む」という点です。たとえば、日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、大学院生のうち約6割が何らかの奨学金を利用しており、特に給付型は近年希望者が急増しています(※出典:JASSO『令和4年度 学生生活調査』)。
給付型は、「経済的困難を抱える優秀な学生」への支援という性質が強く、世帯の所得や本人の学業成績、将来の目標などが審査の軸になります。そのため、「自宅外通学で家計に負担がかかっている」「修士課程で研究に集中したい」といった状況の大学院生に特におすすめです。
また、多くの給付型奨学金では、生活支援としての月額支給に加えて、入学料・授業料の一部または全額免除がセットになっているケースもあります。これにより、初期費用のハードルを下げつつ、在学中の安定した学習環境を確保することが可能です。
月8.8万円も?JASSOの大学院向け支援制度とは
具体的な支援制度として代表的なのが、JASSOによる給付奨学金(大学院生対象)です。特に注目されているのが、月額最大88,000円が支給される「特に優れた業績による奨学金制度」。これは、主に博士課程の後期課程に在籍する学生が対象で、厳正な審査を経て採用されます。
申請に必要な書類には、研究計画書、業績一覧、指導教員の推薦書、本人の志望理由書などがあり、単なる学業成績だけでなく研究意欲や社会貢献性も見られるのが特徴です。申請は主に大学を通じて行い、大学の学生支援窓口が受付・案内の役割を担います。
また、学術振興会(JSPS)の「特別研究員制度」など、JASSO以外の制度とも併用可能な場合がありますので、進学予定の大学院での支援内容も必ず確認しておきましょう。自分の志望分野に特化した公益財団法人の奨学金制度もあるため、「複数の選択肢から比較・検討する」ことが大切です。
なお、申請の〆切は大学によって異なり、前年度の秋〜年末にかけて募集が始まることが多いので、進学を考え始めた時点で情報収集を始めることを強くおすすめします。
大学院で給付型奨学金を受け取る条件と申請方法

給付型奨学金は、返済が不要で大学院生にとって非常にありがたい支援制度ですが、申請すれば誰でももらえるわけではありません。採用には、家計・成績・進学先などの条件を満たす必要があります。この章では、給付奨学金を希望する方に向けて、必要な条件や申請時期、審査の流れまでをやさしく丁寧にご紹介します。
大学院で給付型奨学金をもらうための主な条件
給付型奨学金を受け取るためには、いくつかの条件を満たす必要があります。特に重要なのは、「家計基準」「学力基準」「進学課程の適格性」の3つです。
まず、家計基準は世帯年収で決まります。たとえば、日本学生支援機構(JASSO)の「給付奨学金制度」では、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯(年収目安:約270万円以下)を対象にしています。自宅外通学かどうかによっても基準は若干異なり、生活実態に応じた柔軟な対応もなされています。
次に、学力基準は、高等教育機関への進学にふさわしいと認められる学力を有しているか、または学修意欲が高いことを学校側が証明できるかが問われます。具体的には、大学でのGPAが2.3以上であることが目安とされるケースが多いです(※参考:JASSO 奨学金ガイド)。
そして、進学課程の適格性としては、正規課程(修士課程・博士後期課程)に進学することが条件となり、研究生や科目等履修生などは原則対象外です。
また、特定の研究テーマや分野(例:地方創生、教育、医療系など)に関心があり、社会的意義があると評価されると、審査において有利になることもあります。大学によっては独自の評価軸があるため、在学中または進学予定の大学の学生支援窓口で詳細を確認することをおすすめします。
申請時期・手続き・審査の流れをやさしく解説
給付型奨学金の申請は、「いつ・どうやって申し込むのか」が非常に大切なポイントです。申請スケジュールを逃すと、次の年度まで待つ必要がある場合もありますので注意が必要です。
まず、予約採用制度を利用する場合は、大学院入学の前年度の4月~7月ごろに申請受付が始まります。たとえば、2026年度に進学予定であれば、2025年の春から申込の準備を始める必要があります。
申請手続きは、大学または進学予定の大学院の学生支援担当窓口を通して行います。JASSOの奨学金の場合、「スカラネット」というオンライン申請システムを利用し、必要事項を入力・提出します。提出書類には以下が含まれます:
申請書(本人記入)
所得証明書類(世帯の課税証明書など)
学業成績証明書
志望理由書・研究計画書(任意または大学ごとの指定)
これらの情報をもとに、JASSOや大学側による書類審査と面接(または指導教員の推薦)が行われます。審査には約1〜2か月かかることが多く、結果は大学またはJASSOから書面で通知されます。
申請の際に見落とされがちなのが、申請者本人の入力ミスや必要書類の不備です。とくに「所得基準」や「在籍証明書」などの細かい記載ミスで不採用になるケースも少なくありませんので、提出前には必ずチェックリストなどで再確認しましょう。
また、最近では一部の大学で、オンライン上で申請状況の進捗確認や修正依頼の通知ができるシステムも導入されており、大学による対応も進化しています。
大学院の給付型奨学金の選び方と将来への活かし方

数ある給付型奨学金の中から自分に合った制度を選び、それをどう活かすかは、大学院での学び方だけでなく、卒業後の進路にも大きな影響を与えます。この章では、大学別の制度の違いや、給付金の使い方、将来の就職や研究活動にどのように結びつくのかを深掘りしてご紹介します。
大学院別に異なる給付型奨学金制度の特徴
大学院で受けられる給付型奨学金は、JASSO(日本学生支援機構)の全国共通制度だけでなく、各大学独自の奨学金制度も数多く存在します。たとえば、京都大学の「大学院生支援制度」では、特定の研究分野において月額最大12万円を給付。東京大学では、研究業績に応じた学内奨学金や外部財団と連携したプログラムも用意されています。
地方の大学院でも、地域貢献を目的とした給付型奨学金が活発です。たとえば、鳥取大学大学院では、地域定着型の研究活動を行う学生に対して月額8万円の給付を行っており、卒業後も地元で働くことが条件となるケースがあります。
このように、大学によって給付金額・採用人数・支給期間・応募条件などは大きく異なります。進学先を選ぶ際には、「自分の研究内容がその大学の支援方針に合っているか」「財団や教授との関係性が築ける環境か」なども重視するとよいでしょう。
また、大学院独自の奨学金は情報が表に出にくい傾向があるため、進学前の段階から志望校の学生支援窓口・研究科担当・教員に積極的に相談して情報収集を行うことが、採用の第一歩になります。
給付型奨学金を活かす進学・キャリア戦略とは
給付型奨学金は、単なる生活支援にとどまらず、将来のキャリア構築に直結する投資資金とも言えます。では、どのように活かせばいいのでしょうか?
まず重要なのは、「研究に集中できる環境を確保する」ことです。月額8万〜10万円の支給を受けられれば、自宅外からの通学や学会出張、文献購入といった学術活動に必要な費用を自己負担せずに賄えるようになります。こうした経済的余裕は、研究成果の質にも大きく影響します。
実際、文部科学省の調査(※出典:文科省 大学院教育の実態調査)では、給付型奨学金を受けた大学院生のうち、65%以上が「学位取得後に専門職や研究職に就けた」と回答しています。つまり、給付型奨学金の支援は、研究そのものだけでなく、その後の職業選択の幅を広げる効果もあるのです。
さらに、企業や大学などの採用担当者は、「奨学金受給=優秀な人物」として捉える傾向があり、履歴書やエントリーシートに記載することで自己PRの要素にもなります。とくに博士課程への進学や海外留学を視野に入れている方にとっては、奨学金の受給歴が資金調達・推薦・ネットワーク形成の面でも有利に働きます。
また、近年は「ソーシャルインパクト」や「地域との連携」といった要素を重視した奨学金制度も増えており、これらを選ぶことで、研究と社会貢献を両立させるキャリア構築も可能になります。
まとめ
大学院進学にあたって経済的な不安を感じている方にとって、「返済不要の給付型奨学金」は、学びを支える非常に心強い制度です。本記事では、代表的なJASSOの給付制度(月額最大8.8万円)をはじめ、申請条件や手続きの流れ、さらには大学別の奨学金制度や進学後の活かし方まで、幅広くご紹介しました。
給付型奨学金は、家計基準や成績、進学課程の適格性といった要素に応じて選考され、申請時期や提出書類にも注意が必要です。また、支援を受けるだけでなく、それを活かして研究成果を高めたり、就職・研究職への道につなげたりすることも重要です。
制度の違いや大学ごとの支援内容を理解したうえで、早めの情報収集と準備を進めることが、採用のカギになります。進学後のキャリアまで見据えて、自分に合った奨学金制度を選び、大学院生活をより充実したものにしていきましょう。