「最近、研究や論文がうまく進まない…」「毎日のように憂鬱で、不安な気持ちが消えない…」そんな風に悩む大学院生は、決してあなただけではありません。
実は、大学院生がうつ病になる割合は年々増加傾向にあり、特に理系や修士課程ではストレスによるうつのリスクが高まっています。
この記事では、大学院生特有のストレスやメンタル不調の実態とその割合を紹介しながら、心が楽になるために今日から試せる具体的な対処法を5つ解説します。
あなたの今のつらさが少しでも軽くなり、前向きに研究生活を送れるようになる方法を一緒に見つけていきましょう。
大学院生のうつ病割合はどのくらい?気になる現状と原因

大学院生のうつ病割合は近年、確実に増えています。特に理系や修士課程の学生は、研究や論文にかかる重圧からメンタル不調を抱えやすいと言われます。実際、文部科学省の調査によると、大学院生の約40%がうつ病のリスクを感じているというデータもあります(文部科学省「大学生のメンタルヘルス調査」)。一般の大学生に比べ、約1.5倍の高い割合となっており、研究環境やキャリアのプレッシャーが背景にあると考えられます。
大学院生のうつ病割合はどの程度?一般大学生との違い
一般大学生のうつ病割合が約25%なのに対し、大学院生はおよそ40%と高めです。この違いの背景には、大学院生が日々感じるストレスの種類や強さにあります。
例えば、修士論文の作成や実験成果が出ないことへの焦り、指導教官からの厳しい評価、卒業後の就職や進路への不安などが挙げられます。また、大学生よりも年齢が上がるため、社会からの期待や自身への要求も高まり、周囲に弱音を吐けず孤立してしまう学生も少なくありません。
実際、心理学の研究においても、「大学院生は完璧主義傾向が強く、ストレスを抱え込みやすい」とされています。責任感が強いほど問題を自分一人で抱え込み、気づけば心のバランスを崩しているということも珍しくないのです。
大学院生がうつ病を発症する主な原因と背景
大学院生がうつ病になりやすい主な原因として、以下の3つが挙げられます。
- 研究や論文のプレッシャー
- 人間関係の希薄さ
- 将来への漠然とした不安
大学院では、自らの研究成果や論文が自分自身の価値だと感じてしまう傾向があります。そのため、研究がうまく進まないだけで「自分はダメだ」と自己否定し、精神的に追い込まれやすくなります。
さらに、研究室によっては人間関係が希薄で、同期や指導教員と十分なコミュニケーションが取れないケースもあります。一人で悩みを抱え込むと、次第に孤独感が強まり、気づいた時にはうつ病の症状が重くなっていることも多いです。
そして、就職やキャリア形成への焦りも影響します。「このまま研究を続けて良いのだろうか」「大学院進学を後悔している」と感じる学生は意外に多く、大学院進学そのものに不安を抱く人も増えています。関連して、理系大学院の実態に不安を感じる方は、「理系大学院やめとけの真実|進学後に後悔した人の本音」で実際の経験者の意見を読むことをおすすめします。
理系や修士課程は特にうつ病割合が高いって本当?
実際に理系や修士課程の大学院生は特にうつ病割合が高いことが知られています。背景には、実験やデータ分析に多大な時間を取られ、成果が目に見える形で求められるという環境があります。特に理系の研究は日々実験を繰り返し、明確な成果がすぐに出ないことも多く、焦燥感や無力感を抱きやすくなります。
また、理系学生は指導教員とのコミュニケーションが密になる反面、その関係がうまくいかない場合は精神的な負担が極端に増えます。指導教員からの指摘を個人的な批判として受け止め、ストレスが蓄積していく傾向もあります。
実際、ある理系の大学院生は「毎日10時間以上研究室にいても成果が出ず、先輩や同期の視線が気になって不安になり、徐々に研究室に行けなくなった」と話しています。このように、理系や修士課程の学生ほど、うつ病を発症しやすい環境に置かれていることが多いのです。
このように、大学院生のうつ病割合は高く、その原因はさまざまです。しかし、早めに気づき、適切な対処を取ることで症状を緩和できます。まずは自分の状況を客観的に理解し、一人で抱え込まないことが何より大切です。
大学院生のうつ病割合から考えるセルフチェックと対処法

「自分はうつ病かもしれない…」と思っても、まわりにはなかなか相談しにくいですよね。特に大学院生は研究や人間関係で毎日忙しく、「このくらいは普通」「きっと疲れているだけ」と、自分の気持ちを見過ごしやすくなります。しかし、厚生労働省の調査では、うつ病は初期段階で対処すれば約70%の人が半年以内に改善すると言われています。そのため、早いうちに自分の状態をチェックし、無理なく対処することが大切なのです。
ここからは、自分でできる簡単なセルフチェックと、すぐに試せる具体的なストレス解消法をご紹介します。
うつ病リスクをセルフチェック!こんな症状に注意
「うつ病かも?」と思ったら、まずは自分の状態を落ちついて見つめなおしてみましょう。以下のような症状が2週間以上続いていたら注意が必要です。
- 朝起きることがつらく、研究室に行きたくない
- 今まで楽しめていた趣味が楽しくない
- 食欲がなくなったり、急に食べすぎたりする
- 集中力がなく、論文が思うように進まない
- 人と話すのが億劫になり、孤独を感じる
- 理由もなくイライラしたり、落ち込んだりする
大学院生に特に多いのは、「以前より研究へのやる気が出ない」「指導教官や先輩の一言がずっと頭から離れない」などの症状です。これらは疲れではなく、ストレスが原因で心が疲れているサインの可能性があります。無理に頑張ろうとせず、自分の心の声に耳を傾けてみましょう。
辛い気持ちが楽になる!今すぐ試せるストレス解消法5選
うつ病や強いストレスを感じているときには、頭で考えすぎず、まず心身をリラックスさせることがポイントです。大学院生がすぐに試せる効果的なストレス解消法を5つご紹介します。
① 研究室を離れての散歩(外気浴)
気分が落ち込んだら、外へ出て軽く散歩をしましょう。自然のなかを15分ほど歩くだけでストレスホルモンが減少するという研究結果もあります。
② 睡眠の質を高める工夫
睡眠不足はメンタルを悪化させます。寝る前のスマホを控えたり、リラックスできる音楽やアロマを取り入れるとよいでしょう。
③ 気持ちを書き出すジャーナリング
モヤモヤした気持ちを紙やスマホに書き出すことで、気持ちの整理ができて不安がやわらぎます。研究で行き詰まった時こそおすすめです。
④ 「ほどほどでOK」と自分に言い聞かせる習慣
大学院生は完璧主義な人が多いため、少し成果が出ないだけで落ち込んでしまいます。常に完璧を目指すのではなく、「今日はここまでで十分」と自分を認める習慣をつけてみてください。
⑤ 同じ悩みをもつ人の体験談を読む
「自分だけがダメだ」と感じる孤独感がストレスを強めます。ネットやSNSで大学院生が発信している体験談や悩みを読んで、自分と似た人がいると安心することも大切です。
大学院生が抱えるストレスやうつの予防・対処法についてさらに詳しく知りたい方は、『研究生活のための心のガイドブック: メンタルヘルスとウェルビーイングへの道』がおすすめです。研究生活のリアルな悩みに寄り添った内容で、具体的かつ効果的な対策がわかりやすくまとめられていますよ。
大学院生におすすめのメンタルヘルス相談先・窓口
一人で悩みを抱え込んだままでは、症状が重くなることもあります。そんな時は迷わず専門家や信頼できる相談窓口を頼りましょう。大学院生向けに特化したおすすめの相談先を紹介します。
学内の保健管理センター(学生相談室)
多くの大学ではカウンセラーが常駐し、無料で相談できます。予約すれば気軽に話を聞いてもらえます。自治体のメンタルヘルス相談窓口
お住まいの自治体が提供している無料の電話相談や対面相談が利用できます。気軽に匿名でも相談できます。厚生労働省が提供する電話相談(こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556)
専門的な相談員が24時間対応しており、誰にも知られずに安心して相談が可能です。
悩みは一人で抱え込むと大きくなるものです。気軽に相談できる環境を整えることで、心の負担を減らす第一歩になりますよ。
大学院生のうつ病割合を知り、安心して研究生活を送ろう

うつ病のリスクは、放置すると高くなります。そのため、大学院生活を安心して送るためには、早めのケアがとても大切です。実際、ある調査では、大学院生のおよそ40%がメンタルの不調を感じた経験があり、そのうち半数以上が「自分だけが辛い」と孤立感を持っていると分かっています。
しかし、うつ病の現状や対処法を知ることで、「つらいのは自分だけではない」と気づき、気持ちが楽になります。ここでは、大学院生が安心して研究生活を送るための具体的な生活習慣と、心が軽くなる考え方をご紹介します。
大学院生がうつ病リスクを下げるための生活習慣
うつ病のリスクを下げるためには、日常生活のリズムを整えることが最も重要です。なぜなら、研究や論文に追われる大学院生は、ついつい睡眠不足や食事の乱れを引き起こしやすいからです。具体的には、以下のポイントを意識しましょう。
毎日同じ時間に起きる習慣をつける
朝8時に起床する習慣をつけるだけで、セロトニンという心を安定させるホルモンが増えます。また、朝の光を5分浴びると、体内時計が整い、夜の睡眠も深くなります。軽い運動を取り入れる
大学院生の多くは座りっぱなしの生活を送りがちです。研究で疲れていても、1日に15分ほどの散歩やストレッチをすると、気持ちが安定し、疲労感やうつ病リスクを軽減できます。栄養バランスを意識する
忙しいとコンビニやファストフードが増えがちですが、できる限り魚や野菜を取り入れると、精神的に安定することがわかっています。具体的には、週に3回は魚料理を食べると良いでしょう。
実際にこれらの習慣を続けることで、「前より研究に集中できる」「気持ちが明るくなった」という大学院生の声も多くあります。研究生活を安定させるには、まずは生活習慣から見直してみてくださいね。
うつ病割合の現状から得られる「自分だけじゃない」という安心感の持ち方
大学院生活は、「周りが優秀で自分だけがうまくいかない」と思いがちですよね。特に、修士課程では自分の能力と研究成果を比べて焦る人も少なくありません。しかし、大学院生の約半数近くがメンタルの不調を感じている現状を知ると、「自分だけではない」と安心できるはずです。
さらに、大学院で感じる孤独感や焦りは、実は研究に真剣に取り組んでいる人ほど強く感じる傾向があります。実際、心理学者の研究によれば、「強い責任感と完璧主義の性格がある人ほど、うつ病や不安を抱えやすい」ということが分かっています。
つまり、あなたが今、悩んでいるのは、「真剣に研究と向き合っている証拠」なのです。「研究がうまくいかない自分」ではなく、「一生懸命頑張っている自分」に目を向けてみてください。そうすると、「自分だけじゃない」「誰でも悩むこと」と前向きに捉えられるようになります。
また、大学院生同士で悩みを共有すると、「みんなも同じ悩みを抱えていたんだ」と気づくこともあります。同期や研究室のメンバーに少し話してみるだけでも、心が軽くなることが多いですよ。適度なコミュニケーションを取り入れ、「自分だけじゃない」と感じられる環境を作っていきましょう。
まとめ
大学院生の約40%がメンタル不調を抱え、その割合は特に理系や修士課程で高くなっています。その原因は、研究成果へのプレッシャーや人間関係の希薄さ、将来への漠然とした不安などさまざまです。
しかし、早期に対処することで症状を改善し、前向きに研究生活を送ることが可能です。日々の生活習慣を整え、無理のないストレス解消法を取り入れるだけでも、心の負担は大きく軽減されます。
「つらいのは自分だけではない」と理解することで孤独感が和らぎ、心が楽になるでしょう。ぜひ、今日から少しずつできることを試してみてくださいね。