「高卒だから大学院には行けない…」そんな思い込み、していませんか?
実は、高卒の方でも大学院に進学する方法はあります。しかし、「どうすれば大学院に入れるのか?」「学士を持っていなくても大丈夫なのか?」と疑問や不安を抱える方も多いでしょう。社会人として働きながらの学び直しは、時間や費用の面でも大きな課題となります。
本記事では、高卒から大学院に進学するための具体的なルートを解説し、最短で進む方法を詳しくご紹介します。大学院の入学条件や必要な学歴、通信制や夜間大学院の活用法、仕事と両立するためのポイントなど、知っておくべき情報をまとめました。
「キャリアアップしたい」「学歴を理由に諦めたくない」そんなあなたに向けて、最適な進学プランをお届けします。
高卒から大学院に進学は可能?最短ルートと必要条件

「高卒から大学院に行くのは無理」と思っていませんか? 実は、日本では大学を卒業していなくても大学院に進学する方法があります。本章では、大学院入学の基本条件や、高卒の方が大学院を目指すための最短ルートについて詳しく解説します。
高卒でも大学院に行ける?入学資格の基本ルール
大学院と聞くと、「大学を卒業し、学士の学位を取得していなければならない」と思われがちです。確かに、多くの大学院では「学士」が入学資格の一つとして求められています。しかし、実は学士を取得していなくても、大学院に進学できる方法があるのです。
一般的な大学院の入学要件と学士の扱い
一般的な大学院の入学資格は、以下のいずれかを満たすことが求められます。
- 学士の学位を持っている(一般的な進学ルート)
- 「大学院入学資格審査」を通過する(学士なしでの特例入学)
- 海外の大学や特定の専門学校で、大学相当の単位を修了している
特に注目すべきは 「大学院入学資格審査」 です。これは、高卒の方でも「研究経験」や「職務経験」を評価して、大学院進学を認める特例制度のこと。社会人経験が豊富であったり、研究活動の実績があれば、学士なしでも大学院の門を叩くことが可能になります。
「学士の学位がないとダメ?」その誤解と真実
「学士がないと大学院には絶対に行けない」というのは誤解です。実際に、社会人向けの大学院では、資格審査を通じて高卒でも入学を認めるケースが増えています。たとえば、京都大学や筑波大学などでは、社会人の経験を考慮し、特別選考を行っています(※詳細は各大学の募集要項を参照)。
しかし、すべての大学院がこの制度を採用しているわけではありません。一般的には、大学を卒業して学士を取得するルートが最も確実であり、特例入学を狙う場合でも 研究計画書や職務経歴の準備 が必要になる点は押さえておくべきです。
高卒が大学院に行くための3つの方法
では、具体的にどのようなルートで大学院に進学できるのでしょうか? ここでは、最短で大学院に進学するための3つのルートをご紹介します。
① 科目等履修生・学士取得→大学院進学
「学士が必要なら、まずは学士を取得すればいい」と考える方におすすめなのが、 「科目等履修生」を活用するルート です。
科目等履修生とは、大学に正式に入学せずに、特定の科目だけを履修できる制度のこと。多くの大学では、 「学士取得のための必要単位」 を履修し、学士の学位を取得することが可能です。
例えば、放送大学や慶應義塾大学の通信教育課程を利用すれば、約2〜4年 で学士を取得できます。その後、通常の大学院入試を受ければ、大学院への進学が可能になります。
メリット
✅ 大学卒業と同じ資格が得られるため、進学先の選択肢が広がる
✅ 学士があることで、資格取得や転職にも有利
デメリット
⏳ 最短でも2年以上かかる
💰 授業料がかかる(放送大学なら約70万円、慶應通信なら約120万円)
② 編入制度を利用して大学卒業→大学院進学
高卒でも 「短期大学や専門学校」 を卒業している場合、大学の 3年次編入 を活用できる可能性があります。この場合、最短 1年半~2年 で大学を卒業し、大学院に進むことが可能です。
たとえば、産業能率大学や明星大学などの通信制大学では、社会人向けの3年次編入を実施しています。このルートを選ぶことで、仕事と両立しながら大学院進学の準備 をすることができます。
メリット
✅ 大卒資格が手に入るため、選択肢が広がる
✅ すでに専門学校卒や短大卒なら、短期間で卒業できる
デメリット
⏳ 短大・専門学校卒が前提のため、高卒の方は最初に別の学校に通う必要あり
💰 学費がかかる(通信制大学なら約80万円~)
③ 特殊な条件で「学士なし」でも入学可能な大学院
一部の大学院では、特例として「学士なしでも大学院入学を認める制度」があります。これは 「大学院入学資格審査制度」 というもので、社会人経験や研究実績が評価されるケースです。
たとえば、京都大学の総合生存学館や筑波大学の社会人特別選抜では、社会人経験を評価し、学士がなくても大学院入試の受験資格を与えています(※参考:筑波大学公式HP)。
メリット
✅ 学士を取得せずに大学院に行ける
✅ 研究職や専門職へのキャリアアップが可能
デメリット
⏳ 審査に時間がかかる(通常6ヶ月~1年)
📝 研究計画書・職務経歴書の準備が必要
このように、高卒から大学院へ進学するルートはいくつかあります。「学士がないと無理」という固定観念を持たずに、自分に合った進学方法を見つけることが重要です。仕事をしながらの学び直しは決して簡単ではありませんが、適切な計画を立てれば、社会人でも十分に大学院を目指すことができます。
高卒社会人が大学院に行くメリットと注意点

大学院に進学する目的は、「キャリアアップ」「専門知識の習得」「学歴コンプレックスの解消」などさまざまです。しかし、仕事をしながら大学院に通うには時間や費用の面で課題もあります。本章では、大学院進学のメリットと成功のために押さえておくべきポイントを解説します。
高卒が大学院を目指す最大のメリットとは?
高卒で社会人経験を積んだあとに大学院を目指す理由は、人それぞれです。ただ、多くの人が「仕事やキャリアに直結する学びを得たい」「学歴による制限をなくしたい」という強い思いを持っています。では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
① キャリアアップ&年収アップの可能性
大学院卒の学歴を得ることで、キャリアアップの可能性が広がります。たとえば、企業の昇進要件に「大卒以上」と記載されている場合、大学院卒はより高い評価を受けやすくなります。
具体例:
- 大卒以上が求められる管理職や専門職に応募できる
- 年収アップの可能性が高まる(大学院卒の平均年収は大卒より約50~100万円高いという調査結果もある)
- MBAや工学系の修士号を取得すれば、年収600万円以上のポジションを目指せる
実際、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、修士課程修了者の平均年収は 約650万円、学士課程修了者は 約550万円 と、約100万円の差があることがわかっています(※参考:厚生労働省 賃金構造基本統計調査)。
② 資格取得や専門職への道が広がる
大学院卒が必須となる資格や職業は意外と多く、特に心理学、教育、医療、IT、AIなどの分野では、修士号が求められるケースが増えています。
大学院卒が必須または有利になる資格・職業例:
- 公認心理師(大学院修了が基本要件)
- 臨床心理士(大学院卒でないと受験資格なし)
- AI・データサイエンス系の専門職(修士号があると待遇が大幅に向上)
- MBA(経営学修士)取得後、企業のマネジメント職へ転職
また、専門職だけでなく、大学院で学んだ内容を活かして 独立や起業 を目指す人も増えています。たとえば、心理学の大学院を修了してカウンセリング事業を立ち上げるケースや、AI・データ分析の知識を活かしてコンサルタントとして活動するケースなどが挙げられます。
③ 「学歴」が理由で不利にならない未来
高卒のまま働き続けると、「学歴が足りない」という理由だけでチャンスを逃してしまう場面が出てくることがあります。
たとえば、転職サイトで「応募条件:大卒以上」と記載されている求人は少なくありません。現時点では高卒でも実力次第で活躍できる場面はありますが、 「学歴フィルター」によって面接すら受けられないリスク もあるのが現実です。
大学院を卒業することで、こうした 「学歴がないから選択肢が狭まる」状態を脱し、将来の可能性を広げる ことができます。
社会人が大学院に通うために乗り越えるべき課題
大学院に進学するメリットは多いですが、一方で「時間」「学費」といった現実的な問題もあります。社会人として働きながら大学院に通うためには、これらの課題をどう克服するかが重要です。
① 学費・奨学金・学費免除制度をどう活用するか
大学院の学費は決して安くありません。特に 私立大学院では2年間で250万~400万円 かかることもあり、社会人にとっては大きな負担になります。しかし、学費の問題は 奨学金や学費免除制度を活用 することで解決できる場合があります。
社会人が使える学費サポート制度:
- 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金(第二種奨学金なら大学院生でも利用可能)
- 大学院独自の学費免除制度(国公立では半額免除制度も)
- リカレント教育補助金(企業が負担する学費補助制度)
- 教育訓練給付金(最大112万円支給)
具体例:
国立大学の大学院なら、年間授業料は約54万円 と比較的安価。さらに、授業料免除や奨学金を併用 すれば、実質的な負担を大幅に減らすことができます。
② 仕事と両立できる?時間管理のコツ
社会人が大学院に通う場合、「仕事と学業の両立」が最大の課題になります。特に フルタイムで働きながら通う場合、1日3~4時間の勉強時間を確保するのは難しい ため、効率的な時間管理が求められます。
時間管理のポイント:
✅ 「夜間・通信制・オンライン大学院」を選ぶ(仕事と両立しやすい)
✅ 通勤時間を活用して論文を読む(移動時間を有効活用)
✅ スケジュールを固定化し、毎日30分~1時間の学習時間を確保する
✅ 研究計画をしっかり立て、効率的に課題をこなす
具体例:
オンライン対応の大学院を選べば、出勤前や仕事終わりの時間を活用 して学べます。たとえば、早稲田大学の「社会人向けMBAプログラム」 では、フルオンライン授業を実施しており、地方在住者や多忙な社会人でも学びやすい環境が整っています(※参考:早稲田大学ビジネススクール)。
このように、高卒の社会人が大学院に進学することで得られるメリットは非常に大きいです。しかし、時間と学費の課題をしっかりクリアしないと、せっかくのチャンスを活かせません。「自分に合った進学プラン」を見つけ、無理なく大学院を目指しましょう。
高卒から大学院進学を成功させるための実践ステップ

「大学院に行きたい」と思っても、実際に何から始めればいいのか分からない人も多いでしょう。ここでは、具体的な進学準備のステップを解説し、失敗しないためのポイントをお伝えします。
まずは情報収集!自分に合った大学院を見つける方法
大学院選びは、進学成功のカギを握る重要なステップです。特に社会人の場合、仕事と学業を両立できる環境を整えることが不可欠になります。
社会人向け大学院(夜間・通信・オンライン)の選び方
社会人が大学院に通う場合、以下の3つの選択肢を検討するのが一般的です。
✅ 夜間・土日開講の大学院
→ 平日は仕事を続けながら、夜間や週末に通学可能。早稲田大学や法政大学、明治大学などが有名。
✅ 通信制・オンライン大学院
→ 完全オンラインで受講でき、地方在住でも学べる。東京大学の「公共政策大学院」や、グロービス経営大学院のMBAプログラムなどが選択肢に。
✅ 科目等履修制度を利用できる大学院
→ いきなり入試を受けるのではなく、大学院の科目等履修生として単位を取得しながら、本格的な進学準備が可能。
具体例:
たとえば、MBAを取得したい場合、 グロービス経営大学院 のオンラインコースを選べば、自宅で学びながらキャリアアップが可能です。一方、心理学系の大学院を目指すなら、 放送大学や慶應義塾大学の通信制 を活用して基礎科目を履修しながら進学を目指すのも効果的です。
研究計画書の重要性と志望校のリサーチ方法
大学院入試において 「研究計画書」 は最も重要な書類のひとつです。研究計画書の完成度が低いと、入試の段階で不利になるだけでなく、指導教授の選考から外されることもあります。
研究計画書作成のポイント:
- 志望動機を明確にする(なぜ大学院で学びたいのか?)
- 研究テーマを具体的に絞る(ぼんやりしたテーマはNG)
- 先行研究を調査し、独自の視点を持つ(どこまで研究が進んでいるのか?)
- 実現可能な研究手法を提示する(アンケート・実験・統計分析など)
具体例:
心理学の大学院を志望する場合、 「企業内メンタルヘルスの改善策」 など、社会人の経験を活かしたテーマを設定すると、実務経験と結びつけやすくなります。
志望校のリサーチ方法:
- 各大学院の 入試要項・募集要項 を確認(入学条件、試験科目、提出書類をチェック)
- 研究分野ごとに 指導教授の研究テーマ を調査(自分の研究と合うか)
- オープンキャンパスや説明会 に参加し、大学院の雰囲気を把握
※詳細な情報は、各大学の公式サイトで最新情報を確認しましょう。(参考:東京大学大学院 入試情報)
試験対策と出願準備のポイント
大学院入試は、一般的に 英語試験・小論文・面接 で構成されており、事前準備が重要です。また、社会人の場合は 「教授との事前コンタクト」 も合否を左右する要素となります。
英語試験・小論文・面接対策の基本
✅ 英語試験対策
大学院の英語試験は TOEIC・TOEFL・IELTS などが求められることが多く、特に研究系大学院では TOEFL iBT 80点以上 が推奨されます。
対策方法:
- TOEICなら800点以上、TOEFL iBTなら80点以上を目標に(入試で優位に)
- アカデミックな英語論文を読み慣れておく(大学院では英語文献が必須)
- オンライン英語講座を活用する(例:スタディサプリ、RareJob英会話)
✅ 小論文対策
小論文では 「論理的な思考力」「文章構成力」 が試されます。
対策方法:
- 過去問を入手し、実際に書いてみる(添削を受けるとなお良い)
- 自分の研究分野に関する最新の論文を読み、知識を深める
✅ 面接対策
大学院入試では、面接も重要な評価ポイントです。
面接で聞かれやすい質問例:
- なぜ大学院に進学したいのか?
- なぜこの研究テーマを選んだのか?
- 卒業後のキャリアプランは?
事前に教授とコンタクトを取るべき理由
大学院入試では、「指導教授とのマッチング」が非常に重要です。
特に社会人の場合、事前に教授とメールや面談でコンタクトを取ることで、入試の際に有利になることがあります。
✅ 事前コンタクトを取るメリット
- 研究計画書の方向性を教授から直接アドバイスしてもらえる
- 入試の合否に影響を与える可能性がある(教授の推薦が得られる)
- 研究室の雰囲気を事前に把握できる
社会人としての経験を活かした志望動機の書き方
社会人が大学院を目指す場合、「社会人経験をどう活かせるか」を志望動機書に明確に書くことが重要です。
良い志望動機の例:
✔️ 現在の職業で感じた課題を研究テーマに結びつける
✔️ 実務経験を大学院の研究にどう活かせるかを説明する
✔️ 大学院での学びが将来のキャリアにどう役立つのかを示す
具体例:
「現在、IT業界でAI技術の開発に携わっていますが、実務経験だけでは専門知識が不足していると感じることが多くあります。特にディープラーニング分野の最新研究を学び、より高度なAI技術の開発に貢献したいと考えています。そのため、貴大学院での研究を通じて、実務と学術の橋渡しができるスキルを身につけたいと考えています。」
このように、大学院進学を成功させるためには 情報収集・試験対策・志望理由の明確化 が不可欠です。自分に合った大学院を見極め、しっかりと準備を進めていきましょう。
まとめ:高卒から大学院進学は可能!最適なルートを見つけよう
「高卒だから大学院には行けない」と考えている方も多いですが、実際には 学士を取得しなくても大学院に進学できる方法 があります。特に 大学院入学資格審査 を通過すれば、社会人経験や研究実績を評価してもらえるケースも増えています。
大学院進学のルートは主に3つ あります。
✅ 学士を取得してから進学する(通信制大学・編入制度)
✅ 学士なしでも入学可能な大学院を探す(資格審査・社会人特別選抜)
✅ 科目等履修生として単位を積み重ねる方法を活用する
大学院に進学することで、 キャリアアップや資格取得の道が広がる だけでなく、 学歴による制約をなくし、将来の選択肢を増やせる という大きなメリットがあります。一方で、学費や時間管理などの課題もあるため、 奨学金制度やオンライン学習を活用し、効率よく進学準備を進めることが重要 です。
進学を成功させるには、 自分に合った大学院を選び、研究計画書の準備や試験対策をしっかり行う ことがポイントになります。教授との事前コンタクトを取ることで、入試の合格率を高めることもできます。
大学院進学は決して簡単な道ではありませんが、 適切なルートを選べば、高卒の方でも挑戦できるチャンスは十分にある ということを忘れずに。自分の目標に合った方法を選び、夢に向かって一歩踏み出しましょう!